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ティファニーで朝食を

 

 視覚文化のこと

 映画を観ていた。映画館では大晦日にクリード、それから少し空けてSW ep7フォースの覚醒、ガールズ&パンツァー劇場版。2015年は豊作だった。近年は映画の世界歴代興行収入トップテンがタイタニックアバター以外全部10年代の作品で、それも毎年塗り替えられるというような状況になっており、富と才能が映画界に集中しているのを感じる。発展途上国の経済成長で観客が増えているのも関係しているのかもしれない。体感レベルでも昔より映画の話題を目にすることが増えた。

 個人史としては俺は小島秀夫氏(と伊藤計劃氏)のファンで、20歳くらいのときにこの本を読んで「ははあ、映画を勉強しなければなあ」と思ったのだけど、実際に多く鑑賞するようになったのはおそらく2010年ころだった。TSUTAYAの旧作100円が始まったからだ。地域にもよるけどそれまでは7泊300円くらいだったし、新作はもっと高かった。ちなみに当時HuluやNetflixはまだない。

 昔、異様にアーケードゲームに拘泥していたのだけど、コンシューマに復帰したのがだいたい同時期で、それも関係があった。可処分時間の多寡や集中力を無視すると、同じ300円でしょうもないゲームをイラつきながら3回やるのと、ゴッドファーザーを全部観るのとでは、金額あたりに受け取れる「面白さ」の強度が全然違う。つまり後者のほうが俺にとっては効率が良かった。

 この考え方でいくと娯楽はだいたい文庫本か1本100円の映画に収束するし、考えるまでもなくわかるというか、普通はゲームセンターにそんなに入り浸ったりしないのだけど、まあ最終的には個人の趣味・嗜好で片付く話かもしれない。単に俺がゲームにも、ゲームを取り巻く環境にも、自分の人生にも嫌気が指していて、誰がどう観ても面白い有名な映画をただボーッと観ていると気が楽だった、というのは多分そうだった。

 

 アニメについては、俺が18歳まで過ごした地域はいわゆるアニメ過疎地で、基本的には地上波で深夜アニメの視聴はできなかった。だから進学で都会に出て一人暮らしをするようになってからアニメにはまる、というような経緯を辿る人が多かった(世代的なものもある)のだけど、なんというか俺はそうならなかった。理由はいくつかあって、箇条書きにすると

 

  • もともとテレビを観る習慣がない(パソコンにチューナーカードを増設していない)
  • 実家の近くになぜかアニメだけ7泊90円のビデオ屋があり、アニメは好きなものを借りて観ていた
  • 中高生時代(2ちゃんねる以降~ニコニコ動画以前くらい)はそこまでTVアニメがメインカルチャーではなかった
  • 1クールでも通せば長丁場になるので、評価が確定していない(面白いかどうかわからない)ものを毎週観るのはつらい
  • ニコニコ動画の有料会員になっていない

 

 というような感じになる。結局のところ俺は友達がいないというか、「今期はなに観てる?」「○○は先週も面白かった~!」というような話題が共通項になるコミュニティにいたことがない。そういう友達が大勢いれば必要に迫られるというか、「観ないと話題に入っていけない……」となるのだけど、そうなったことがない。人と関わっていない証拠だろう。

 あとは俺が個人的に「TVアニメのほとんどは長いわりにくだらない内容のものが多い」と思っているのもあるかもしれない。当然ながら地上波で放送されているものを全部観て周辺事情を完全に把握したうえでそう思っているわけではないのでただの印象なんだけど、たまに話題作を借りて視聴すると苦痛を感じることが多いので、合わないのだろう。

 たまにネットで見かける「仕事で疲れて帰ってきて頭空っぽで観られる日常系アニメは最高~」というのは、確かに疲れているときに緻密な設定や重厚なストーリーなどは気が進まないというのは頷けるのだけど、俺はそういうときはただ横になっているし、モニタに向かってどうでもいい内容のアニメを観たり若い女性の甲高い声を聴いたりしていると余計に疲れるので、いろいろな人がいるのだなあ、と思う。

  ただ気になっている作品(最近だと「鉄血のオルフェンズ」とか)については、後でまとめて観ると長くて大変なので、本放送で週に30分のほうが楽だと思うようになった。半年後にTSUTAYAで借りても変わらないけど映画館で観ておくと後で観なくていいから楽、という感覚に似ている。高画質で倍速再生ができて観たい作品がちゃんと配信される動画サービスがもしあれば、契約するのも検討したい。

 

 1月は連続ものはレンタルでAMC「ベター・コール・ソウル」、セガ(トムス・エンタテインメイント)「Hi☆sCoool! セハガール」、サンライズガンダムビルドファイターズトライ」を全話視聴した。一つめは最高に面白く、二つめはどうでもいい内容で、三つめはつまらなかった。

 

 オタクのこと

 匿名圏におけるインターネット(ここでは「本名でなくハンドルネームを使う」くらいの意味)では同じ話題が一定のスパンでループしている。なぜかというと「Webはバカと暇人のもの」というのがそこまで間違ってもいないからで、活発なアクティビティを呈するのは概ね10代後半~20代前半、つまり大学生くらいの年代だからだ。ホームページ、ブログ、ツイッター、なんでもいいけど、ほとんどの人は卒業・就職や結婚などの大きなライフイベントを境に更新が滞っていき、やがて人が入れ替わっていく。

 だから5年前、10年前にいやというほど繰り返された議論がまたしつこく俎上に載ったりするのだけど、例えば「オタクの定義」なんかその最たるものの一つだろう。つい最近もリア充オタクって何だよ! という話題があった。

 

 結論から言うと、オタクの定義については「そんなものはない」、もしくは「かつて存在した形骸化した(薄くなって消えてしまった)概念」とするほかないのだけど、もうちょっと寛容な、かなり広義のイメージでいくと「まんが、アニメ、ゲームなどを中心としたユースカルチャーに一定の興味や関心がある人」くらいのもやっとした感じになる。

 が、特定の層をおおまかに括る用語はそれ自体がコミュニティへの帰属意識とすり替わってしまうことが多く、例えば「ええっ! オタクなのにラブライブおそ松さんも観ていないの!?」といったようなことが容易に起こる。たぶん10年前はここに入るのは涼宮ハルヒの憂鬱か何かだったが、要するにここでは「オタク」が「時流のTVアニメを視聴していて、その関連商品に何らかの形でお金を払っている人」という、けっこう限定的で、しかも当時代性を内包した意味に変わってしまっている。

 しかし実際はアニメは観ないけど小説やまんがを年間500冊以上読むとか、観るけど特定の作品を好んで何度も観ているとか、ゲームをよくプレイしている、プラモデル・フィギュア制作のみ、コスプレが好き、楽曲のコピーやリミックスをしている、電子工作をよくする、といったさまざまな趣味・嗜好を持つ人がいるから、先に挙げた用法はあまり適切ではないし、余計な摩擦を生むことが多い。要するにわざわざ「あなたは私と違う」と言っているのと同じだからだ。

 

 俺個人の感想としては、これほど「オタクっぽい趣味や嗜好」がオーバーグラウンドになり、多様化と先鋭化が進んで、インターネットが個人に寄り添う形で発展したあとで、オタクもくそもないだろ、と思う。いるのは何かに熱中している個人だけで、総体などどこにもない。時間の経過で無限にアーカイブが増えていく中で「オタク」は文脈を内包しすぎる言葉になってしまった。いわば呪いのようなもので、便利な用語ではあるがあまり快いものではないのでギャグ以外で使うのは俺はなるべく避けている。

 

 そういったことを抜きにして、「何かのファンの発言や振る舞いが気に入らない」ということは俺にもある。ただ「ムカつく」「不快だ」といった感情的なものも含めて、それを受けてのカジュアルな感想は思い浮かぶけれど、別にその特定の個人が俺に気に入られるように行動を改める必要などないし、またそうすることでその人が得られる現実的なメリットはまずないから、そこでおしまいだ。

 こういう思考の根底にあるのは「偉そうに他人を啓蒙したり自分の考えを押し付けたりするのは思い上がりだ」という気持ちだったのだけど、最近わかったのはそんなに礼儀正しいものでもなく「面倒だし意味ねぇな」という非常にシンプルな敗北主義だったことで、俺は昔から意見の合わなさそうな人とは交流するのを避けている。

 いちばん建設的なのは自分の想いや意見をしっかりした形(絵でもホームページでも歌でも踊りでもプログラムでも原型製作でもなんでもいい)で積極的に発信・表現して共感してくれる人を増やし、有意義な流れを作っていくことなんだけど、問題は俺にはそうする動機も熱量ももはやほとんどないということで、今書いているこのブログも正直なところ書く意味や書かねばならぬ理由はないし、言いたいことも特にない。

 

 何の根拠もない俺の印象をただ書くと、「どういう人がにわかではないオタクなの?」の簡単な答えは「10代になる前からやってるやつ」と「30過ぎてもやってるやつ」の二つだ。リア充オタクの話題で出てきた、「流行ってるしそっち方面ちょっとさわってみよ~」というハタチくらいの人は前者には当てはまらないし、おそらく後者にもならない。

 ただ、それは別に悪いことではない。若者がユースカルチャーに惹かれて、やがて成長とともに離れていくのは、むしろ健全なことだろう。

 

 見出しタイトルなし

 1月はゲームらしいゲームはやらなかった。視力が落ちている。この特に何もしていなくても書ける4000字弱でもめちゃくちゃ時間がかかったが、今度はなるべく内容のあること(読んで面白い文章・役に立つ情報)を書きたい。あと人生については相変わらず異常に虚しいし、どうやって生きていけばいいのかわからない。