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君の名は。 のこと

 

 鬱病みたいな日記はよくないのでアニメの話でも書くよ~。

 

 「君の名は。」、大ヒットしているらしいので観に行ったのだけど、俺はかつて新海誠監督の大ファンだった時期があって、一応フィルモグラフィーは細かい仕事も含めてだいたい全部観ている。結論から書くと感想は「とても完成度が高いけど、好きか嫌いかでいうと好きではない」といったところ。

 この監督は一作目から「宇宙と地球を繋げる想い」「塔のむこうを目指して歩く少女」といった漠然としたイメージをそのまま骨子にしたストーリーを作る人で、主人公に当たる男の子と女の子以外はあまりはっきりした輪郭がないことから、10年くらい前はいわゆるセカイ系の旗手みたいに言われていた。

 ところが3作目から妙に現実寄りにシフトしてきたというか、ストーリーの面で幻想的な部分がなくなって、「小学校のころ好きだった女の子のことが30近くになっても忘れられないけど、その想いが報われることはないこの現実を自分でもわかってる、切なくて哀しい大人のオ・レ」みたいなちょっとキモい作風になる。

 今回は現実に寄せつつもそういったキモい部分をなくし、「彗星の落ちる町と時空を超えたボーイ・ミーツ・ガール」というファンタジーを骨子にして、いわば原点回帰を果たしたハイブリッドな作品になっている。毎度のことながら透明感のある美しいビジュアルで、よくできた映画だった。

 

 気に入らない点については、これは完全に俺の感情論なので作品の評価とは分けて読んでほしいのだけど、「四ツ谷のマンションに住んでアーロンチェアに座り新宿でバイトしている都立高校の瀧君」「飛騨のド田舎の神社の家で口噛み酒を造っている巫女の女子高生」といったキャラクター、そんなやつはいねえ

 前置きすると俺はフィクションに関して、たとえば剣と魔法の世界だったり、銀河を二分する陣営がもはや開戦の理由など誰もわからなくなった戦争を100年間継続していたり、開拓時代の西部のガンマン、原爆スラムの兵隊やくざ、80年代末の香港三合会などなど、自分の人生とまったく地続きではない世界を好む傾向がある。

 なぜかというと現実なら現実で毎日見てるし、お金や時間を使ってフィクションの世界をワクワク楽しんでいるときにわざわざ「これが現実ですよ」とやられるのが不快だからなんだけど、クリエイターのリアリティの考え方が俺とは違っていたり、趣味が露悪的だったりするとこのへん決定的に齟齬が出てくる(ちなみにこのパターンで最悪なのはもちろんエヴァンゲリオンの最終話)。

 そういう意味で「君の名は。」は不快感を覚える部分がけっこうあった。「あれから5年間のことはよく覚えていない(のになぜか大学を卒業して就活で内定を得て会社員になっている)」とか「キミもちゃんと幸せになりなよ(左手薬指キラッ」とかね。ムカつくアニメを見せるんじゃねえ。ガンダムを出せよガンダムをよ。

 

 あとはね~、人数が多いし発信力があるからマーケティングとして当たり前なんだけど、「首都圏の若者」に過剰にリーチしてる感じがあるんだよな~。これ関東平野に一切関わりがない年配の人にまで伝わるか? というとあまり普遍的ではないと思うんだよな~。

 まあそんなところです。あ、「この世界の片隅に」は本当に本当に最高だったよ!! (これについてはまた後日書けたら書きます)(おわり)